「こういう営業マンには絶対なりたくない!」
あなたには、そういう「営業マン像」がありますか?そして、「こういう営業マンになりたい!」と憧れる営業マン像がありますか?
僕は、多くの人が想像する「THE営業マン」に憧れたことは一度もなかったんですが、「こういう営業マンには絶対ならないぞ!」と思ったことはあります。
それは…遅刻する時に連絡もせず、全力で走って相手の会社に向かう営業マンです。
走らないといけない状況って、だいたいあなたのせいじゃないでしょ?
余裕を持って行動していても避けられないトラブル。僕の営業人生でも幾度となくありましたよ、走らないといけない状況。
- 人身事故で電車が動かない→違う手段で相手の会社に向かう
- 車両点検で電車が遅れる&車内強制待機
- 災害による公共交通機関の遅れ
など。都市部で営業していると、そういう状況って、やっぱり公共交通機関が原因ですよね。電車の遅れなんて日常茶飯事です。
で、「約束の時間に間に合いそうにないから走る」という行動に移る人もいますよね。先方に迷惑をかけちゃいけない…!と。
個人的には、こういう営業マンがあまり好きではありません。そして、約束の時間に間に合わないかもしれない時に「走る」という選択肢を僕は選んだことがありません。
だって、その遅刻って、僕のせいじゃありませんよね?あなたのせいじゃありませんよね?公共交通機関の遅れが原因ですよね?
というより、責任の所在がどうであれ、「遅れる」or「遅れそう」という事実が発覚した時点で冷静に対処するべきだと思うんですよ。
その状況における適切な連絡手段で遅刻の連絡をすべし
その「冷静な対処」とは一体何なのか?まずは何より適切な連絡です。
- 電話ができる状況であれば電話
- 電話ができない状況であればメール
- 1と2どちらもできない状況であれば、その他の手段
- 1〜3すべてできない状況であれば事後報告
「その状況で一番適切な手段」で先方へ遅刻の連絡をする。可能な限り事前に。それが冷静な対処です。いたってシンプルですよね?
「大切な連絡は電話で」という謎文化があるので電話連絡がベターですが、電話ができない状況であれば、積極的に他の手段で連絡しましょう。
よっぽど緊急な状況でない限り、「連絡なし」というパターンが一番マズイです。「4.事後報告」は基本的に邪険にされるので、注意しましょう。
なぜ走る必要があるのか?
そもそも、冷静に考えてみると、「走る」という答えは出ないはずなんですよ。
あなたが尊敬している人、あなたの上司、あなたの社長、そういう状況で走ってますか?きっと、走ってないと思いますよ。
だって、できるほど営業ほど、責任感のある営業ほど、「走る」ことがベストな選択でないとわかっているからです。
- 走って汗をかいて息切れしてみっともない
- 遅刻の原因とかどうでもいい
- 約束の時間に遅れるなら連絡だけ欲しい
▲先方の気持ちはこんな感じです。営業される側の人間であれば、当然の心理ですよね。

息切れするほど走ってきて…一生懸命な営業だなぁ!
とは一ミリも思いません。むしろ、相手にそういう姿を見せること自体ナンセンスです。プロ失格です。結局、ただの「パフォーマンス」です。
必要なのは「営業マンの体裁」ではなく、先方の時間を有効活用すること
そう、営業マンのパフォーマンスほど無駄なものはありません。アイスブレイクで「いやー、電車が遅れてしまって…!申し訳ございません…!」とか、先方は一切求めていません。
結局、一番重要なのは「営業マンの都合や体裁」ではなく、「先方の時間をいかに有効活用するか」だけです。その答えはいくつかあると思いますが、僕はこれが答えだと思っています。
「先方の時間を有効活用する=自分がベストな状態で商談(打ち合わせ)をする」
先方の貴重な時間をもらって商談するので、有意義な時間を過ごしてもらえるように、ベストな状態で商談しないと意味がないと思っています。
- 丁寧に
- 親切に
- わかりやすく
- 紳士的に
- 魅力的に
- 自然体で
こういう商談をするためにも、「約束の時間に間に合わない状況」or「間に合うか間に合わないか状況」で走るのは意味がありません。
「遅刻の連絡をしたけど、申し訳ないから走らなきゃ…!」というのも、同じく意味がありません。これに関しては、意味がわからないというよりも、訳がわかりませんが。
「約束の時間に間に合うかわからない状況」でも走ったことがない
そういった理由から僕は、「約束の時間に間に合うかわからない状況」でも走ったことがありません。新人の時からです。
もうお気づきかと思いますが、「かなり余裕を持って行動していたのに、電車がかなり遅れてしまう。まぁ、僕は悪くないし、連絡すれば遅刻してもいっかぁ」という考えではありません。
僕の脳内・行動パターンはこんな感じです。(初めての商談の場合)
- 電車がかなり遅れてしまう
- こればかりは仕方がない
- 駅に着いてからの行動を確認
- 相手の会社までの経路を案内するアプリを起動しておく
- 「確実に遅刻しない」と言い切れない状況なので、駅に着いてから速攻で電話連絡
- 商談に影響が出ない程度に早歩き
「走れば間に合うかも」という不確かな覚悟で先方の信用を失うわけにもいかないので、やはり重要なのは事前連絡ですね。
事前連絡もせずに、「頑張って走れば間に合う!」と汗だくになり、息切れしながら、相手の会社に向かうのはちょっとムリですね。双方にメリットがないので。
適切な連絡をすれば問題ない
適切な連絡さえすれば、まったく問題ないんですよ。事前連絡ですべてが決まると言っても過言ではありません。
- 遅れそうなこと or 遅れること
- その時間が何分なのか
- 謝罪
これは最低限伝えなければいけません。言い訳はNGですが、電車が大幅に遅れた時なんかは、さらっと伝えてもいいと思います。
こういう適切な連絡さえすれば、ほとんどの会社は何の問題もありません。実際、怒られたり、会ってもらえなかったり、そういう経験一度もないですからね。
まぁ、会う会わないに関しては、担当者のスケジュール次第でしょう。30分単位でスケジュールが埋まってる担当者もいるので。
たまーに、変な会社もありますが、それはもう運が悪かったと思って諦めてください。例えばこんな感じの会社です。
- どんな理由であれ遅刻するような営業とは会わない
- 15分前に訪問してこないような営業とは会わない
- いかなる状況でも約束の時間に間に合うようにするのが当然だ
…あ、冗談じゃないですよ。実際にこういう会社もあります。ちょっとブラックな匂いがする企業に多いのが特徴です(笑)
まとめ

シェフさん…!すみません!電車が遅れた影響でアポに遅刻しそうです!走った方がいいかもしれません!

え?なんで?まずは電話しようよ?走るの疲れるし。
というやりとりと、その時の部下の「え?走らないって斬新ですね」という言葉が印象的でしたが、これで困ったことがないので困ったもんです。
遅刻をしないように行動するのが大前提。遅刻しそうになったら、連絡する・慌てない・走らない。営業における「れあは」を、みなさんも意識してはいかがでしょうか?(言いづらい)