- 〇〇夫妻にこんな物件紹介したよ!
- 〇〇がお店に来てたからこっそり写真撮ったよ!
など、ネットリテラシーのなさから、つい軽はずみな行動をしてしまう従業員が後を絶ちません。
「炎上保険」なんて保険が登場するほど、企業は炎上に対しての危機管理に追われていますが、本当に必要な対策は一体何でしょうか?
完全に悪手な「謝罪」
つい最近も、ある飲食店が炎上していました。(店名は伏せます)
なんでも、提供された料理に異物が混入していたものの、その場での謝罪(と適切な対応)がなかったことが原因のようです。
その時点で大問題なんですが、さらにマズかったのが、その後の対応。
- お店が忙しかった
- 自分が対応に当たれば、他のお客様に迷惑がかかるから、すぐに謝罪できなかった
- 問題の異物は当店のものじゃないはずだけど、当店の料理に混入していたことは申し訳なく思っている
- 代表の連絡先をSNSで確認しようとした被害者を、本人かわからないからブロックした
という内容を、無料ブログで公開したんです。目を疑ったのは言うまでもありません。
少しでも飲食店で働いたことがある方は理解できると思いますが、完全に悪手です。(伝え方にも問題あり)
正しい対応は何だったのか?
では、この問題への正しい対応方法は何だったのでしょうか?
- 品質管理を徹底する?
- 異物が混入しない仕組みをつくる?
それも大切なことですが、最も重要なのは「一次対応」です。
どんなに忙しくても、作業をストップして、その場で事実確認をしなければいけません。そして、それが事実であれば「謝罪」と「お客様の容態の確認」です。
ほとんどの場合、この一次対応がしっかり出来ていれば大事にはなりません。炎上リスクも極めて低くなります。
謝罪する相手は誰?
そして、今回の2つ目の悪手である「二次対応」。
「言い訳」と言っても過言ではない内容も問題ですが、1番の問題は「不特定多数の人が見れるブログで公開したこと」です。
ブログから察するに、おそらく、今回の異物混入の被害者は「1人」です。であれば、被害者を特定して謝罪するのがベストでしょう。そのチャンスがあったわけですから。
ブログで公開する必要があるのは、多数の被害者がいる(可能性がある)場合です。炎上を沈静化しようとしたのかもしれませんが、悪手と言わざるを得ません。
ブログで公開する内容は「事故の経緯」と「今後の対策」で十分
また、もしブログで公開するなら、
- 事故の経緯(何が原因だったのか、誰が被害に遭ったのか、どのくらいの被害規模なのか、など)
- 今後の対策(オペレーションをマニュアル化する、複数人で目視確認する、仕入れ先を変更する、など)
などの内容で十分です。
「口は災いの元」ということわざもあるように、必要以上のことを伝えようとして「二次災害」が起きる可能性もあるからです。
(一般的に「言い訳」と受け止められる謝罪は、このパターンが多い気がします)
まとめ
誰もが気軽に情報発信できる時代、トラブルや炎上リスクを0にすることはできません。失敗しない人なんていません。
だからこそ、トラブルが起きた時・炎上した時の対応方法を、経営者はもちろんのこと、スタッフも学ぶ必要があります。間違った対応が、「その企業の対応」になるからです。
炎を小さくするのも、炎を大きくするのも、すべては企業の対応次第。ちゃんと「消化器」は用意していますか?