- 仕事をどのように効率化すればいいのか?
- 成果を出すための方法とは?
など、ビジネスをする上で理解しておきたい仕事術はいくつもありますが、重要なのは「それを誰から学ぶか」ということ。
誰もが認める優秀な同僚や、尊敬する上司から学ぶのも良いかもしれませんが、最も信頼できる情報源は間違いなく「世界のトップ企業」です。
例えば…「Googleがやっている仕事術」なんかは誰もが興味を抱くのではないでしょうか?
世界一速く結果を出す人は、なぜ、メールを使わないのか
僕も例外ではなく、Googleの仕事術には興味を抱いていました。
ただ、これまでもいくつか関連本が発売されているものの、いまいちタイトルに惹かれず、スルーしてきました。
そんな中、見つけた下記の本。これこそ僕が求めていた本だと直感し、即購入しました。
タイトルを見て、ドキッとした方も多いのではないでしょうか?「まだメールなんか使って仕事してるの?」というメッセージにも聞こえます。
著者は、「ピョートル・フェリークス・グジバチ」さんで、これまで「モルガン・スタンレー」や「Google」で働いた経験のある凄腕の人物です。(現在は独立)
本の内容
購入後すぐに本を読み始めたんですが、とても面白い内容で、一気に読み終えてしまいました。
タイトルからは、「メールを使わない仕事術」という内容を想像してしまいますが、当然ながら、それだけにとどまりません。
- Googleが実際にやっていること
- なぜ、Googleは成果を出し続けられるのか
- 日本の企業はなぜ生産性が低いのか
など、実際のエピソードやデータを引き合いに出して、「具体的な仕事術や考え」を紹介しています。
特質すべきは、Googleの優秀な社員だからできることではなく、誰でもすぐに真似できることばかりだということ。
「どうせ、Googleで働けるくらい、元々優秀な人たちの仕事術なんでしょ?」と思った方にもおすすめできる本です。
感想・レビュー
では、一体どんなことを書いているのか、感想・レビューを交えて、一部ご紹介してみます。
ツールをフル活用する
「結果を速く出す人はメールを使わない」という内容に触れている部分になりますが、筆者が伝えたいのは、「あらゆることを効率化しよう」ということです。
例えば、
- 会議をして
- 誰か1人が内容をまとめて
- まとめた資料をメールで共有して
- 意見をもらいながら加筆修正する
という方法で資料(議事録)をまとめている会社も多いかと思いますが、Googleでは、会議をしながらGoogle Docsなどのツールを用いて全員で資料を作成しているそうです。
この方法なら確かに、後でフィードバックをもらう手間が省けるし、その場でビジョンを共有することができますよね。
仕事を円滑に進めるためには優先順位を明確にする
「頼み方が下手」というのは、ビジネスマンとして致命的な問題です。
このように依頼していませんか?または、このように依頼されていませんか?
これについて、著者は、「頼まれている仕事の基準や締め切りを明確にすることは基本中の基本だ」と指摘しています。
- いつまでにやればいいのか?
- 同時進行のプロジェクトがある場合は、どちらを優先にすればいいのか?
など、依頼される側が理解しなければいけないのは当然ですが、依頼する側が理解していないのであれば話になりません。
こういったビジネスの基本を守ることは、Googleのような大企業であっても例外ではないということです。
「今この瞬間」に集中すれば最大限のパフォーマンスが発揮できる
福利厚生が充実していることで有名なGoogleですが、それは、仕事以外の余計なことを考えないで済むような環境にしているからだそうです。
- 今日はどんな服を着ていこうかな?
- お昼ごはんはどこで食べようかな?
- 仕事が終わった後、どこで飲み会しようかな?
- リフレッシュしたいけど、どこに行こうかな?
など、仕事に関係ない「悩み」は意外とありますが、仕事で最大限のパフォーマンスを発揮するためには、こういった悩みをなくせばいいんです。
「スティーブ・ジョブズ」や「マーク・ザッカーバーグ」がいつも同じ服を着ている理由をご存知の方も多いと思いますが、要はそういうことです。
9時から17時まで働くのが仕事ではない
本書で特に重要だと思った部分。
「9時から17時まで働くのが仕事ではない。優れたアウトプットを出すことが目的だ」
日本の企業の生産性が低いのは、きっとこういう考えが希薄だからなんでしょうね。
つまり、考えなければいけないのは、「何時から何時まで働くのか?」ということではなく、「時間内で最大限のパフォーマンスを発揮できるのはどういう働き方か?」ということ。
「優れたアウトプットが出せるなら、ソファで仕事してもいいんだよ」という筆者の考えもよくわかります。
10%アップではなく「10倍」を目指す
革新的なサービスを提供するGoogle。その根底にあるのは、目標の設定方法です。
普通であれば、「現状+α」のように目標を設定すると思うのですが、Googleでは「現状×10倍」で目標を立てるそうです。
その理由は、10倍の目標を掲げることにより発想が飛躍するから。そして、目標が高い分、目標が達成できなくても、成功する確率が高くなるからです。
現状よりも少し高い目標では、労働力でカバーしがちですが、現状の10倍を目指すことにより、固定概念やルールも壊してしまうわけですね。
もちろん、ただ漠然と「10倍目指すぞ〜」と言うだけでは意味がありませんので、プロセスを明確にする必要はあるでしょう。
質問のルール
これはとても大事なことですが、質問にはルールがあります。
それは、「漠然と質問しない」ことです。意外と、このルールを守れていない方も多いのですが、「たかが質問、されど質問」です。質問1つでその人の力量がわかります。
例えば、あるセミナーに行き、理解できない部分があったとします。その時の悪い質問と、良い質問はこのようになります。
悪い質問 | 良い質問 |
さきほど、〇〇とおっしゃいましたが、それはどういう意味でしょうか? | 先ほど、〇〇とおっしゃいましたが、それは△△ということでしょうか? |
つまり、良い質問には「仮説」があり、わからない部分が明確化されているんです。
これは、ビジネスにおいて本当に重要なスキルなので、ぜひ身につけておきたいところです。(本書でも学べます)
大事なのは人との関係
「何のために速く仕事をするのか?それは、速く結果を出すため。そのために大事なのは、実は人との関係」という一文があるんですが、その後の筆者の考えに大変共感しました。
「何年かぶりに会ったので、昔の話をしたい気持ちはわかります。でも、10年前と同じような話しかしないのであれば、僕は別の人と話したい。」
すげーわかる。。#読書メモ
— シェフ (@chef_moriawase) 2017年2月7日
いつ会っても変わらない友人というのは、すごく貴重な存在ですが、僕は「いつも変化を求めている刺激的な人」が大好きなんです。
人付き合いも良いですが、速く結果を出したい方は、自分に刺激を与えてくれる人と出会うのも必要なことかもしれませんね。
まとめ
あのGoogleと言えども、あれもこれも斬新な方法で仕事をしているわけではありません。とことん無駄を省き、効率化しているだけです。
「人工知能に仕事が奪われるのを嘆くのではなく、いかに仕事を人工知能に任せていくか」という筆者の考えからも、それがわかります。
世界の第一線で活躍している人はどのように仕事をしているのか?その答えの1つは、この本の中に隠されています。