現代のマネタイズ方法から分析するセミナー成功のコツとは?

最近、セミナーについてアドバイスする機会があったので、その内容を紹介してみます。

  1. セミナーを開催しても、なかなか成功しない
  2. セミナーで思うように集客できない
  3. セミナーでどんな内容を話せばいいかわからない

こんな方に参考にしていただければ嬉しいです。

※営業職の方、マーケティングに関わっている方もぜひご覧ください。



有料セミナーにするか?無料セミナーにするか?

まず、最も多いのが、「セミナーを有料にするか、無料にするか」という悩み。

あなたが利益を度外視して、ボランティアとしてセミナーを開催するなら話は別ですが、ほとんどの方がそうではないはず。

  1. セミナーで提供するノウハウの代わりに参加費をもらう(有料セミナー)
  2. セミナーは無料だが、有料の販促物がある(無料セミナー)
  3. セミナーは無料だが、最後に契約して欲しい商品がある(無料セミナー)

セミナーを開催する側としては、この3つが主な目的ではないでしょうか?

もちろん、一番利益を得やすいのは「1.有料セミナー」です。参加してもらうだけで利益が発生するので、計算上は最も効率が良い選択肢です。

 

しかし、この方法は誰しもが選べる選択肢ではありません。その理由の一つが「集客に困る」ことです。

有名人や影響力のある人物が開催するセミナーであれば悩む必要はありません。

「有料セミナー&有料の販促物」という組み合わせでも成り立つでしょう。音楽ライブなんかはまさにこのモデルです。

 

問題は、その選択肢をほとんどの人が選べないことにあります。

よくわからない会社が、参加費1000円のセミナーを開催する場合、果たしてどれほどの人が集まるでしょうか?

興味があるセミナーでも、「参加費を払わなければいけない」という理由だけで参加しない人も多くいるはずです。

無料→有料のビジネスモデルは確立されている

「有料セミナーにどうやって人を集めようか」という考え方も良いですが、その根本的な課題を解決するには少々ハードルが高い気がします。

というのも、現代のマネタイズを分析すると、「無料→有料」のビジネスモデルが確立されていることがわかるからです。

  1. ゲーム:無料で販売→ゲーム内の広告、課金(ガチャ)で収益を得る
  2. YouTube:無料で楽しめる→サイト内(動画内)の広告、広告を非表示にするための月額課金(YouTubeRed)で収益を得る
  3. ニコニコ動画:無料で楽しめる→サイト内の広告、コンテンツを最大限楽しめるための月額課金(プレミアム会員)で収益を得る

 

「有料のゲーム(一回だけの課金)よりも、無料のゲーム(定期的な広告収入)の方が収益が良かった」という記事もどこかで見たことがあります。

この考え方をセミナーに当てはめ、「無料でセミナーを開催して、どう収益を得るか」を考えた方が現代的ではないでしょうか?

無料セミナーのメリット

このビジネスモデルが確立されている今、そのメリットを考えなくてはいけません。

やはり、最大のメリットは「絶対数の違い」です。「無料セミナー」と「有料セミナー」では、訴求できる人数が全然違います。

少し前の情報ですが、ニコニコ動画の無料会員とプレミアム会員の人数を比較するとわかりやすいです。

seminor-gragh

 

無料会員4750万人に対して、プレミアム会員250万人。これが有料のセミナーだとすると、全体の5%にしか訴求できない計算になります。

  • ターゲットが100人いれば5人だけ(無料セミナーは95人)
  • ターゲットが1000人いても50人だけ(無料セミナーは950人)

これがセミナーを無料にする一番のメリットであり、最も大きな理由です。

無料セミナーでの収益モデル

もちろん、無料セミナーとは「参加費が無料」というだけであり、しっかりと収益を得る必要があります。

では、無料セミナーでどうやってマネタイズをすればいいかを考えてみましょう。

やはり一番利益につながるのは、スマホゲームでいうところの課金(ガチャ)を用意することでしょうか。

 

「有料の販促物」や「契約できる商品」を訴求する無料セミナーと言い換えるとスッキリします。

  1. 誰でも文字がうまく書けるセミナースラスラ書けるボールペンオリジナルノートを販売
  2. 保険の選び方セミナー自社で扱っている保険に加入してもらう
  3. 料理セミナー自分が監修したレシピ本を販売

 

完全無料のセミナーがあるとすれば、「有料化までの布石」か「影響力を高めるための手段」の意味合いがあるでしょうか。

  1. 前者→人が定期的に集まってきてからセミナーを有料化する。
  2. 後者→口コミを期待したり、サイトやチラシでお客様の声として発信する。

正攻法ではない気がしますが、「個人情報を集めて今後の営業活動に活用する」なんて方法もありそうです。

有料セミナーと無料セミナーのゴールの違い

さて、セミナーの収益モデルを考えてみましたが、肝心のセミナーで失敗してしまえば意味がありません。

  • 話がわかりづらい
  • 「どうせ無料だから」というやる気のなさが伝わってくる
  • 無料セミナーのはずなのに、ガツガツとした営業をされる

これでは、せっかくの無料セミナーのメリットが全てムダになってしまいます。

 

そして、特に気をつけたいのがセミナーで話す内容と量です。

実は、有料セミナーと無料セミナーにはマネタイズ方法の他にも明確な違いがあります。それはゴールです。

有料セミナーは参加費をもらうので、収益はすでに得ています。ビジネス的にはある意味ゴールです。

無料セミナーでは全てを話さない

一方、無料セミナーのビジネス上のゴールは「無料→有料になった時」です。マネタイズに成功した時です。

だから、収益化できるスイッチをどこかに用意する必要があるんです。では、それをどこに置くか?

間違いないのは「こちらは無料で有益な情報を提供したから、何か見返りが欲しいな」という言葉を言っても許される場所(タイミング)です。

 

最も効果が良さそうな場所はセミナーの後半になるでしょうか。興味さえ持ってくれれば、マネタイズは成功しやすいはずです。

無料ゲームも面白いから課金したくなりますよね?周りと差をつけたいから課金したくなりますよね?課金する必要がなければ課金しませんよね?

このように、課金する余地がなければマネタイズは成功しません。セミナーも、お金を払う余地がなければ収益化できません。

 

つまり、無料セミナーで全てを話すことは、ビジネス上では良いセミナーと呼べないということです。

一方的にお客さんが満足するだけのボランティアセミナーです。利益が目的でなければそれで良いでしょう。

しかし、少しでもマネタイズする意思があるのなら、全てを話さず、Win-Winが成立するようなセミナーにするべきです。

  • このセミナーでA(問題)がわかったけど、B(解決)のために私は何をすればいいんだろう?
  • A(やり方)はわかったけど、そのためにはB(ツール)が必要なんだよなぁ。Bはどこで手に入るんだろう?

という内容にすれば、最終的にお客さんも満足し、主催者側も満足し、セミナーは大成功ではないでしょうか?

まとめ

と、長々とお話ししましたが、営業やマーケティングなど、セミナー以外でも通づる内容ではなかったでしょうか?

「利益目的の有料セミナー」で思うように成果が出ないのなら、無料でのマネタイズを選択した方がよっぽど現代的だと思います。

その後は、いかにWin-Winの関係を築けるか、それだけに注力すればいいんですから。

 

「講演会」が人気なところを見ると、セミナーもまだ一定の需要がありそうですね。

セミナーを成功させるためのコツとして、参考にしていただければ嬉しいです!


カテゴリー:ビジネスノウハウ

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