僕自身、何度となく商談してきて、ロールプレイング商談もしてたんですが、おしゃべりな営業って多いんですよね。
端的に言うと、聞き上手か否か、という話なんですが。しかし、聞き上手な営業はたくさんいても、沈黙上手な営業はかなり少なかったような気がします。
え?営業はトークスキルが大事だって?うーん、では、沈黙上手な営業について一緒に考えてみましょう。
営業は聞き上手になれ
まず、先述の「聞き上手」について。
自分の話ばかりする営業よりも、自分の話を聞いてくれる営業が好まれるのは当たり前です。
テレアポや飛び込み営業もそうですが、売れない営業ほどマシンガントークが好きですからね。
「営業=モノを売る仕事」と思ってるから、自社の商品を売りたい気持ちが先行してしまうんでしょう。
顧客の温度感も気にせず一方的に話す営業もいれば、仕事と関係ない話で盛り上がっていつの間にか受注してる営業もいる。
普段から人の話を聞かずに自分のことだけ話す人もいれば、普段から聞き上手だと言われている人もいる。
その差は一体なんでしょう。
中途半端に空気を読めない人が一番マズい
どちらのケースでも当てはまるのは「空気が読めるかどうか」でしょうね。KYじゃない人が聞き上手なわけです。
「すごく空気が読めるけど、人の話を全く聞かない」なんて人いませんからね。
つまり、相手の表情や動作を見て「今どんな気持ちなんだろう?」と考えれない人は聞き上手ではないということです。
しかし、一番マズいのは「中途半端に空気が読める人」だったりします。
ユベントスのユニフォームを着ている人に「サッカーしませんか?」と言うのが空気が読める人。
ユベントスのユニフォームを着ている人に「今から野球しようぜ!」と言っちゃうのが空気が読めない人。
ユベントスのユニフォームを着ている人に「僕は野球が好きだけど、あなたはサッカーしたいんだよね?」と言うのが中途半端に空気が読める人。
空気が読めない人より、中途半端に空気が読めちゃう人の方が、実は問題だったりするんですよね。可愛げがないので。
では、これを踏まえて今回のテーマに触れてみましょう。
なぜ沈黙が怖いのか自己分析してみる
「知らない人・あまり仲が良くない人と帰りの電車で一緒になってしまって気まずいなぁ…」
こんな経験誰しもがありますよね?こればかりは、いくら聞き上手な人でも少なからず苦手意識を持っているのではないでしょうか?
でも、相手が仲が良い友達・恋人だったら、沈黙も苦ではありませんよね。
実は、クライアントとの商談の場も、性質は同じです。
知らない・あまり仲が良くないクライアントとの商談は必要以上に沈黙を避けてしまいます。
アイスブレイクを意識するあまり、自分の脳みそがブレイクしてしまいます。
そこで、まずやるべきことは「なぜ沈黙が苦手なんだろう?」と考えることです。
「え?何言ってんの?」と言いたい気持ちを堪えて考えてみてください。なぜ自分は沈黙が苦手なんだろうと。
おそらく、「クライアントが何を考えているか分からないから」ではないでしょうか?
プレゼンテーションした時、キャンペーンのチラシを渡した時、反応が遅いと不安になりますよね。
「あれ…?あまり反応良くないぞ…?」と。
ここからが面白いのですが、この沈黙に対して、聞き上手も聞き上手じゃない人も同じような反応をします。
「いかがですか?」とか「これ良いですよね?」とか「何かご不明な点は?」とか。実は、これが惜しいんです。
クライアントは考えている
沈黙に対して「相手があたふたするところを見たい」と思っているようなクライアントは、この場では蚊帳の外に置きましょう。
相手が普通のクライアントで、あなたのアクションに対して沈黙した時。
クロージングするためにマシンガントークしたい気持ちは分かりますが、ちょっと待ってください。
実は、クライアントはよく考えています。あなたが提案した内容について考えているから沈黙してしまうのです。
だから、あなたが次にやるべきことは、クライアントが沈黙している時に次々に言葉を浴びせることではありません。
クライアントの動向を見定めることです。
キャンペーンのチラシを見た途端、興味がありそうな顔をしたとか、提案した資料Aと資料Dを交互に見ているとか、資料に目を向けてはいるものの、全く興味がなさそうにしているとか。
ついつい商談を成功させようとして、必要以上に話しかけるのは良くありません。
何かをしている時、何かを考えている時、新しいリアクションを求められるのは、気持ちの良いものではないですからね。
大丈夫です。クライアントは逃げませんから。
もし逃げられてしまったのなら、そもそもの提案が悪いか、「初めから興味がなかったんだな」と思って次に活かしましょう。
沈黙は全力で楽しむ
武器は小出しにしろとか、そういう話ではありません。商談は、ストラックアウトではなくキャッチボールなのです。
相手が取りやすいボールを投げた方が良いし、相手が自分のタイミングでボールを投げ返してくるまで待った方が良いです。
沈黙している(考えている)クライアントに対して話しかけるのは、
「ねー!ボールまだー?早く投げて欲しいんだけどー!」と言っているようなものです。
ですので、理想的なのは「ボールを投げるのはいつでもいいからねー!」と、沈黙を全力で楽しむことです。
「きた…!沈黙タイムだ…!」とか言って楽しめばいいんです。
そして、クライアントがどんな気持ちなのか、何を考えているのか、を注意深く見定めればいいんです。
まとめ
沈黙が苦手でついつい、クライアントに話をしてしまう。
沈黙が苦手でついつい、口頭で資料の補足説明をしてしまう。
こんな営業にこそ、「沈黙の楽しさ」を実感して欲しいですね。