【続】特定商取引法は「個人の販売者」のプライバシーを守ってはくれないのか

以前、こんな記事を書きました。

「何かを販売する時には、法人・個人問わず身元を明かしてくださいね」って法律があって、それについて専門機関に詳しくお話を聞いてきたよ〜っていう記事ですね。

まあ、「一般的」に考えれば別におかしな話でもなんでもなくて、悪徳業者から消費者を守ろう!な親切な法律なんですが、昔と違って徐々に「個人の時代」に移り変っている中、色々と思うところもあってですね。

例えば、先ほどの記事でも例に挙げている以下のケース。

例えば、自分の日常について書いているブログにパスワードをかけて、そのパスワードを100円で売る場合も特定商取引法に関する記載が必要になるという理屈です。

金額の大小は別として、こういったケースでも、不特定多数が見れるWebサイトに大切な個人情報を記載しなければいけない法律って、すごくないですか?

だって、専門機関の話によれば、noteで有料記事を書いたら、そこに個人情報を記載しなければいけないんですよ?そんなの誰もやりたくないですし、現に誰もやってないですよね。

また、個人情報の記載を「省略」できるルールもありますが、開示請求があった場合にすぐに開示しなければいけないことにも触れておきましょう。

「あなたの身元を明かしてください!」って言われたら、名前(戸籍上の正式な名前)と、住所(部屋番号まで)と、電話番号(実際に通話できる番号)を相手に必ず教えないといけません。

「この法律、怖いよなぁ…」って思うのは僕だけでしょうか?

だって、場合によっては「消費者」によって販売者であるあなたの個人情報が悪用されるかもしれないんですよ?

少なくとも、僕からすれば、販売者である自分の個人情報を相手(消費者)が知っていて、消費者である相手の個人情報をこちら(販売者)が知らないケースが成立するのは、なんだかバランスが悪い法律というか、時代に法律が追いついていないような気がしますね。



個人で活動している人はどんな悩みを抱えているのか

少し、Twitterで調べてみたら、やはり困っている人がいましたね。

いやー、特定商取引法は完全に個人の時代の足かせになってますね!笑

真っ当にビジネスしたい匿名販売者はどうすればいいのか

別記事で詳しく書いてますが、以下の方法だと匿名販売ができるそうです。

あれこれ違う角度で質問攻めしたんですが、端的に言うと、「価格や販売方法などの販売条件を明確に記載せずに、メールやSNSなどで個人的にやりとりをして、後払いでお金をもらう(先に商品やサービスを提供する)」場合は、個人情報の記載をしなくても良い、または開示請求があっても拒否できる、とのことです。

ただ、違う日に別の担当者と話をしたんですが、「どんな状況であれ匿名はダメです」の一点張りでした。

国語的というか、プログラミングをしている僕みたいな人間にとっては、「正解」が人によって変わるのはものすごく気持ちが悪かったですね。どっちかはっきりしてくれと。

(まあ、これは特定商取引法に限った話でもないと思いますけどね)

  1. 通販形式ではなく個人間でやりとりをして
  2. 先に商品(サービス)を提供して
  3. 後でお金をもらう

この形式でも匿名じゃダメって言われたら、販売者のプライバシーはどうなるんだって話ですよね。(個人の時代を謳歌したい人生だった…)

ちなみに、特定商取引法は日本の消費者を守る法律なので、海外にいる人との契約に対しては適用されません。(第26条の適用除外にそう記載されています)

適用されないので個人情報の記載も不要なはずです。

これ、「当サイトは海外在住者向けのECサイトです!なので特定商取引法の記載はしません!」とかやっちゃダメなんですかね?笑

すべて英語だったらOK?多言語化してたらダメ?ここらへんの線引きも気になりますね〜

だって、Webサイトには国境はなくて誰でも購入できちゃうので、相手がどこに住んでいるかは販売側は知りようがないし、(IPアドレスでの制限はできますが)基本的に購入者をコントロールできませんから。

例えば、英語で構築されたECサイトから日本にいる人がソフトウェアを有料でダウンロードした場合、特定商取引法がどう機能するかですよ。

(話の感じから)専門機関はそういったケースを想定していないと思われるので、相談したところで問答無用でダメ認定を受けることは必至で、ただ販売者的には「いやいや、元々うちは海外の人向けに販売してますし、注意書きにもそう記載してますがな」って主張もできるわけで。

こういうケースになってくると、本当に訳がわからなくなってくるんですが、専門機関でも解釈が人によって変わるなら、こっちもロジックを立てて自分の解釈でサービス展開してもいい気もしますよね。知らんけど。

問い合わせフォームの設置だけで良くない?って話

そもそも、現時点でバーチャルオフィスを活用したり、記載を省略したり、そういったケースがたくさんあるんですから、むしろ特定商取引法は個人情報を「人質」にするのではなく、IPアドレスとか別のもので信用を担保した方がいいと思うんですよね。もしくは、登録制にするとか。

だって、いきなり「個人情報を渡せ!」って言われたら渡さないといけないんですよ?それなら、購入時の返信メールへのIPアドレスを義務化して、何かあったらプロバイダ請求できるようにするとか、そういった仕組みの方がまだ優しいと思いません?

特定商取引法の記載についても、開示拒むケースとか、わかりづらいところに記載するとか、屋号とバーチャルオフィスで匿名化するとか、そもそも虚偽の情報を記載するとか、全然あり得るわけで。それならIPアドレスの方がまだ緊張感ありますよね。

とりあえず、特定商取引法についても、どうしていいかわからず泣き寝入りしている消費者も多いと思うので(例えば、特定商取引法のページにたどり着けない人とか)、そういったリテラシーが低いような消費者を本気で守るならもっと良い形があるような気もするんですね。

先ほどもチラッと言いましたが、行政レベルで登録制を導入して、専用の番号を発給、その番号を記載すれば個人情報は記載しなくても良い、ただ何かトラブルがあって適切に対応できない場合は罰則を与えるとか、割と良い方法だと思うんですよね。少なくとも現状のシステムよりは販売者、消費者ともに優しいかと。

このシステムなら問い合わせフォームを設置するだけで済みそうです。

物販は匿名で活動可能なのに

そう言えば、順番逆じゃない?って話もあって。

今、メルカリしかり、BOOTHしかり、物売は匿名でビジネスできる仕組みが整っているんですが、Webでのビジネスにはその仕組みがないんですよね。

noteなど、プラットフォームが安全と信用を担保します!、で済んでいい話だと思うんですが、なんでダメなんでしょう?

先ほどは行政レベルで登録制度を導入すれば〜といった話をしましたが、別に民間企業がこういったサービスをやってもいいならやればいいと思うんですよね。

物販がありならWebでも同じように展開できると思うんです。プラットフォーム側になら個人情報渡しても問題ないので、やれるならやって欲しいところですよね。

最後になりますが、「個人」が主体になる時代に、現行の特定商取引法はナンセンスだと思っています。

真っ当にビジネスをしたい、法律を遵守したい、でも個人情報は明かしたくない、こういった人はこれからも増えていくと思います。

ただ、今のシステムだと、真面目にやりたい人ほど法律にがんじがらめにされて動けなくて、だったら諦めよう…と残念な状況になっているので、やはり何か上手い仕組みが欲しいところです。

あと、noteはマジでいいのか、あれ。。


カテゴリー:個人事業主(フリーランス)

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