いつの時代も人気業界や企業は就職先の的となります。変化が激しいこの時代。安泰な企業もなければ、絶対倒産しない企業もないんですが。。
そこで、「親に頼らずに業界地図でしっかりと勉強した方がいいよ」と、就活生向けにコンテンツもお届けしてきました。
下記のような記事です。
「車が好き→トヨタ就職」ではなく、広い視野で就職活動して欲しいと思ったからです。
そして今回は、その視野をさらに広げるコンテンツをお届けします。
「安泰な企業を探す」という意味では、人気業界ランキングに頼るよりもよっぽど良いかもしれませんよ!
「なぜその業界や企業が人気なのか」を説明できますか?
ところで、就活生のみなさん。就職先で人気の企業、安泰と言われている企業についてどのくらい知っていますか?
いや、言い方が違いましたね。なぜ、その企業が「安泰」とか「人気」とか言われているかを説明できますか?
「え?給料が良いから人気なんでしょ?」
「ホワイトな企業だから人気なんです!」
- 大企業だから
- 給料が良いから
- 海外展開しているから
- 人気ランキングで上位だから
- 先生に勧められたから
…まさか、こんな理由で就職先を決めていませんよね?
それ、死亡フラグですよ…!
安泰と言われている理由を論理的に考える
どの企業に就職しても、どんな仕事をしても、必要なのは論理的に考えるスキルです。
これは社会人になってから身につくスキル…と言いたいところですが、就職先を選ぶ時にこそ必要なスキルでもあります。
そのスキルがあれば、なぜあの企業が安泰と言われているのかを論理的に考えることができるからです。
ただ、
- 決算短信を見たり
- 四季報で財務が健全なのか確認したり
なんてことができれば最高ですが、一般の人でもなかなか難しいことですよね。「趣味は決算短信を見ることです!」なんて大学生も少なそうです。
そんな時におすすめしたい方法がこちら!
特許取得ランキングから企業を探す
「特許」を「出願・取得」している数から企業を探す方法です。これは意外とスマートな方法ではないでしょうか?
なぜなら、みなさんご存知のように「特許」というのは貴重な財産だからです。
サンリオなんか、ライセンス料だけで莫大な利益を手にしてますからね。
ハローキティはサンリオのものなので、それを使用するにはサンリオにお金を払う必要があります。
つまり、それだけの価値がハローキティ(サンリオ)にあり、その対価として利益を得ているのです。
これは、特許に関しても同じようなことが言えます。
どんな企業が特許取得ランキングにランクインしているか
実際にどんな企業があるのか確認してみましょう。こちらは、つい最近更新された特許取得件数ランキングです。
2016年 特許登録分 – データ更新日:2016年3月28日 –
順位
出願人
件数
前年順位
前年件数
2016年 出願公開件数
1位
1480
2位
3728
815 (2位)
2位
1096
8位
1953
1623 (1位)
3位
1043
1位
4078
685 (7位)
4位
938
7位
2049
779 (3位)
5位
670
6位
2193
693 (5位)
6位
657
4位
2622
499 (9位)
7位
614
3位
3341
349 (16位)
8位
597
11位
1734
746 (4位)
9位
567
5位
2291
593 (8位)
10位
535
19位
1190
686 (6位)
11位
514
16位
1310
145 (44位)
12位
491
18位
1219
279 (22位)
13位
423
14位
1406
269 (24位)
14位
416
23位
1078
406 (10位)
15位
413
17位
1240
205 (27位)
16位
410
10位
1790
200 (30位)
17位
397
28位
918
288 (20位)
18位
382
67位
377
404 (11位)
18位
382
24位
1060
283 (21位)
20位
376
22位
1087
356 (15位)
引用:2016年特許ランキング
おなじみの企業ばかりですね。これを知らなかった時と比べていかがでしょうか?
なぜその企業が人気なのか、勢いがあるのか、違う視点からも考えることができませんか?
ちなみに、特許出願件数ランキングはこんな感じ。
2016年 出願公開分 – データ更新日:2016年3月28日 –
順位
出願人
件数
前年順位
前年件数
2016年 特許取得件数
1位
1623
1位
8244
1096 (2位)
2位
815
7位
4043
1480 (1位)
3位
779
2位
5710
938 (4位)
4位
746
6位
4049
597 (8位)
5位
693
5位
4104
670 (5位)
6位
686
4位
4893
535 (10位)
7位
685
3位
4989
1043 (3位)
8位
593
8位
3217
567 (9位)
9位
499
9位
3146
657 (6位)
10位
406
10位
2579
416 (14位)
11位
404
13位
2171
382 (18位)
12位
403
17位
1823
371 (21位)
13位
393
29位
1328
327 (25位)
14位
389
25位
1397
329 (24位)
15位
356
18位
1801
376 (20位)
16位
349
12位
2271
614 (7位)
17位
322
27位
1375
238 (33位)
18位
321
36位
1000
93 (86位)
19位
294
22位
1625
333 (23位)
20位
288
20位
1691
397 (17位)
特許を取得しているとこんなに良いことがある
これは過去のニュースですが、わかりやすくまとまっています。
- 国内メーカーが海外企業買収して子会社化する
- その海外の子会社が日本の国内メーカーに特許使用料を支払う
先ほどのサンリオではありませんが、特許・ライセンスにはこういう恩恵があるんです。
国内企業が海外から受け取る特許などの使用料が増えている。財務省が8日公表した5月の経常収支のうち「知的財産権等使用料」は3909億円の黒字で、過去最高の黒字額になった。企業の海外事業の好調を受け、海外子会社から日本の親会社への使用料の支払いが増えた。海外進出で国内からのモノの輸出は伸び悩んでいるが新しいお金の流れも生んでいる。
経常収支は1兆8809億円の黒字で、このうちサービス収支は1037億円と2カ月ぶりの黒字だった。黒字転換の決め手の一つが、サービス収支に含まれる知的財産権等使用料の増加だ。
知的財産権等使用料は特許権や著作権の使用料について、日本側が海外から受け取った金額から海外に支払った金額を差し引いたものだ。5月は前年同月比39%増え、これまでの最高だった2012年3月の3270億円を超えた。
背景にあるのが企業の海外展開の加速だ。国内メーカーが海外に進出したり他社を買収したりして子会社を設けると、子会社は親会社の特許などを使って商品をつくるため、親会社に使用料を支払う必要がある。
M&A(合併・買収)助言のレコフによると14年度の日本企業による海外企業のM&Aは5年連続で増えた。親子会社間での使用料のやりとりも増えており、財務省は「自動車や医薬品産業で目立つ」と指摘する。
面接やエントリーシートのネタにもなる
「大学生時代、バックパッカーしてました!」が、人事担当に飽きられつつある中、
「私は大学生時代、〇〇という技術に興味があり(研究をしていて)、その分野に知見のある御社が〇〇という特許を取得していて〜」
なんて大学生は面白いですよね。「膨大な特許を取得している御社ですが、私が一番の特許になれるはずです!」とかも言っちゃったりして…笑
「あなたの長所は?」
「はい!目の付け所が「シャープ」です!」とかは古いネタなので気をつけた方がいいですよ!笑
「特許がたくさんある=安泰」ではないけど…
改めて言うことでもありませんが、もちろん「特許がたくさんあるから安泰!」ではありませんよ。視野を広げるための一つの業界・企業研究です。
特許取得件数ランキング上位の東芝だって、今や瀕死状態。膨大な特許を取得しているパナソニックも、一生安泰というわけにはいかないでしょう。
企業のことをより知るために、知識を深めるために。特許取得件数ランキングを活用してはいかがでしょうか?