青森に移住してからテレビを見るようになったんですが、地方のCM(広告)は全体的に残念なクオリティです。
これと同じようなことを、イケダハヤトさんがブログに書いていたんですが、ほぼ同意ですね。
→地方の広告代理店・ウェブ制作会社のレベルが低すぎるので、おすすめ最新ツールまとめたよ。
ツールを知らないことはもちろんのこと、全体的に質が低いので、そのレベルに気づかないまま広告を打ち続けている印象です。
青森のCMが絶望的にダサい。「地方ならでは」を通り越して絶望的にダサい。こういう広告ばかり見てインプットしてると、アウトプットが上手く出来ないから、けっこう危機感がある。
— シェフ@青森県移住ブロガー (@chef_moriawase) 2016年3月13日
レベルの違いがすぐにわかってしまう理由
プロとアマの決定的な差がなくなりつつある音楽業界とは違い、広告業界はプロとアマの広告のクオリティの差が激しいです。
全国的に展開されているCMか地方だけで展開されているCMかなんて、すぐにわかってしまいます。
もちろん、かっこいいとか、撮影しているカメラが良いとか、そんな単純な理由ではありません。
モノクロの広告だとしても、プロの広告かアマの広告かの違いはわかるでしょう。
ではなぜ、そのCMが地方のCMだとわかるか。その決定的な理由がユーザーに何をして欲しいかを伝えきれていないことです。導線がないとも言いますね。
「当社はこんな会社です!僕たち頑張っています!」という広告が当たり前のように放映されているのを見て驚きましたよ。
と思うほどでした。
そう、「続きはWEBで!」的な要素が一ミリもないんです。得られる効果は「あ、あの会社はCMで見た」くらいのものでしょう。
でも、広告の力はそんなもんじゃないですよね。もっと良い効果が得られますよね。
つまり、地方のCMは訴求力が圧倒的に足りないんです。人の感情を揺さぶることができていないんです。
それはなぜか?これはどの業界・会社でも言えることですが、主な理由は下記の3点。
- 質の低い広告でもある程度の訴求力がある
- 競争する相手が少ないから競争力がない
- クオリティが低い広告を見ているから、質の低さに気づかない
これは危機感ありますよ。やはり、良いものをたくさんインプットしないと、良いものをアウトプットできないですよね。
地方でもやれることはたくさんある

やっぱり大企業が作っているCMと、地方の広告代理店が作っているCMでは話にならないよ…
と諦めているのが一番良くない。地方でもできること・東京と地方で差がないことを見つけることが重要です。
そんなものたくさんあると思うんですけどね…
- アニメーションの広告にする&地方の声優の卵を起用する
- 森の中で少女が歌う
- 舞台を学校にする
…etc
どれも制作費を抑えながら、良さそうな広告が作れると思いませんか?
ティーバイティーガレージのCMは秀逸
そんな地方(青森)で秀逸なCMがありました。株式会社ティーバイティーガレージのCMです。
かなりの頻度で放映されているので、積極的に広告展開していることがわかります。
ご覧のように、一発で地方のCMだとわかるクオリティです。それなのに、なぜか気になりますよね。
これは決して、サブリミナル効果ではないはずです。最初に見た時からインパクトがありましたから。
ティーバイティーガレージのCMはなぜ秀逸なのか?
このCMの秀逸ポイントがいくつかあります。
- 耳に残る歌
- 視聴者参加型の広告
- 車の買取を考えているユーザー以外のユーザーにも訴求できている
耳に残る歌
すごく耳に残りますよね、この歌。癖がある歌声、特徴的なメロディー、単調なコード…全てがマッチしています。
歌っているアーティストはいとたいさんという方です。北海道のサラリーマンシンガーとのこと。
フルバージョンも公開されています。
歌詞もすごく良いです。一発で「車の買取をする会社なんだ」ということがわかりますよね。
しかも「0120-999-999」が問い合わせ番号なんだということもわかります。
車車車買取のティーバイティー
車売るなら9が6つのティーバイティー
君のとこへ直ぐに行くよ
軽自動車も大きな車もティーバイティー
外国産も宇宙船もティーバイティー
君のとこへすぐに行くよ
君を乗せる為にゲットしたこの車
そろそろ新しいのに買い替えなくちゃな
飽きて嫌いになったからとか
そんな気持ちは全然ないんだけど
君と同じ位好きになるだろうって人が
約8ヶ月後に産まれるっていうもんだから
4人乗りのを探して
この思い出詰まった愛車をどうにかしなくちゃな
そんな時は!
車車車買取のティーバイティー
車売るなら9が6つにコールミー
君のとこへ直ぐに行くよ
古くなっても走り過ぎてもティーバイティー
壊れちゃった宇宙船でもティーバイティー
君の星へすぐに行くよ
君のとこへすぐに行くよ
視聴者参加型の広告
これが一番のポイントですね。視聴者参加型のメリットは計り知れないんですよ。
- 制作費を抑えられる
- 芸能人ではなく一般人なので親近感がわく
- 放映されるかされないかは別として、動画を撮影した本人・仲間・友達・家族…と拡散される
主なメリットはこんなところでしょか。
3のメリットなんかはすごく大きいと思いますよ。「動画撮影したんだよ!」って、絶対誰かに言いたくなりますから。
CMで放映されたりなんかしたら…わざわざ他の車屋に買取を依頼するはずがないですよね。
車の買取を考えているユーザー以外のユーザーにも訴求できている
このCMを見て何を思いましたか?
- ちょうど車の買取をどこかに依頼しようとしていたから、連絡してみよう
- 車の買取を依頼する会社で悩んでいたけど、ここの会社は良さそうだ
- 車の買取を依頼する予定は今のところないけど、面白いCMだ
- 車の買取を依頼するつもりはなかったけど、親近感がわく会社だから相談してみようかな
車を買取するユーザーは少なくても、「何の印象にも残らないCMだった」と思うユーザーは少ないはずです。
ここがポイントなんですよ。
- CMを見て子供がダンスをする、歌う
- 買取の予定はないけど、CMに出たいから動画を撮影して応募する
普通のCMなら、この層のユーザーへ訴求することはできません。でも、このCMだからこそ、しっかりと訴求できている。
これは、メガネブランドのJINS(ジンズ)と同じような戦略なんですよ。だって、ユーザー層は確実に拡大してますよね。
日清紡のCMのように「え?日清紡ってどんな会社なの?」と興味を抱かせるのも戦略ですが、地方ではストレートに訴求した方が効果がある気がします。
まとめ
地方は「やり方・考え方」を変えるだけで、もっともっと良くなるはずなんです。
地方の限界を勝手に決めつけるのは良くない。アイディア一つで劇的に変わるもんです。
「ティーバイティーガレージの広告戦略は上手いなぁ…よし!俺たちも真似しよう!」と思う会社があってもいいはずです。
行動することも大事ですが、まずは意識的にPDCAサイクルを回すところから。参考にしていただければ嬉しいです!