こんにちは、シェフです。
#私の住宅要求 のムーブメントも下火になったので別にいいかなと思ったんですが、先日書いた以下の記事にTwitterでたくさんの反応やコメントをいただいたので、「あとがき」を書きたいと思います。(あとがきというより備忘録に近いですかね)
「私の住宅要求ムーブメント」の背景
このムーブメントの存在を知ったのはかなり後で、僕が初めてツイートした時にはすでにいくつかのツイートが反響を読んでいました。
僕が観測する限りでは、以下のツイートがそうですね。
そして、このムーブメントのきっかけはおそらく稲葉剛さんの以下のツイート。
このハッシュタグで借主の不満や悩みを可視化して住宅問題を解消するのが狙いとのこと。
ちなみに、僕のツイートはこちらです。
「文句があるなら借りるな」で片付けていい問題なのか
このムーブメントの中で色々と貴重なご意見をいただいて勉強になりました。ありがとうございます。
その中には脊髄反射な批判的意見も多くあったんですが、不動産業界(界隈)の人から飛んでくる意見は決まって「文句があるなら借りるなよw」です。
※こういった意見は例のハッシュタグを追えばいくらでも見れます。
- 入居者を選ぶ権利は「貸主」側にある
- 不動産会社は1社じゃないんだから他のところに行けばいいだろ
- 人の資産を借りるんだから文句を言うな
程度の差こそあれ、貸主側のみなさんのスタンスは基本的にこんな感じです。
そもそもですね、貸主と借主の意見が対立するのは当然です。お互い100%納得できる契約は難しいからです。
ただ、不動産業界に「不透明な部分」があるのは事実で、僕ら借主はその問題にずっと疑問を抱いていて、それが今回のムーブメントで次々と可視化されました。
「礼金払いたくな〜い!」とか「家賃保証会社にお金払いたくな〜い!」とか、そんな幼稚なことを言ってるんじゃないですよ?そう聞こえるなら完全に貸主側が都合良く解釈しているだけです。
僕らが疑問を抱いていて、不満に思っているのは常に「不透明な部分」に対してです。
「需要と供給」問題
そういえば、今回のリプで興味深かった意見の1つに「需要と供給の問題」がありました。
平たく言うと、家賃が高くても借りたい人がいるから(需要)、家賃を高くして貸している(供給)し、本来は悪条件であっても借りたい人がいるから(需要)、本来は貸主が負担するお金なども借主に負担させる形で貸している(供給)といったもの。
これは前回の記事でも触れましたが、需要と供給と言えば聞こえはいいものの、「借りる人がいる以上、違法じゃなかったらどんな形で貸してもいいでしょ。文句を言われる筋合いはない」というやり方は非常に悪どいと思うんですね。それは「需要と供給」と呼べるのかと。
例えばですよ、富士山の山頂にある自動販売機で売っている飲み物が高いのは仕方ないじゃないですか。そこまでの運搬、維持、管理には諸々のコストがかかりますし、高くても買いたい人も一定数いると思うんです。
でも、僕ら借主が今回のムーブメントで訴えた様々な問題は、こういった「理解」が難しいものばかりですよね?
- 無知につけこんだ高額な請求
- 家賃保証会社と連帯保証人のセット
- 用途不明な様々な費用
その典型例が北海道の例の事件。
お金を徴収したものの消臭も抗菌もせずに消臭抗菌代のほとんどが不動産会社のお小遣いになっていたことが明るみに出ましたよね。
つまるところ、僕ら借主はこういう「ブラックさ」を嫌悪しているわけですよ。
連帯保証人と家賃保証会社のセットに思うこと
あと、これも上手く伝わっていなかったようで残念ですが、連帯保証人と家賃保証会社のセットを「悪習」だと表現したのも先ほどと同じ理由です。
連帯保証人がいるのに家賃保証会社と契約するのはなんで?の記事が詳しいですが、簡単にまとめると以下の通りです。
- 家賃保証会社にお金を払うのは本来「家主」のはず
- 「連帯保証人を立てる」か「それが無理なら家賃保証会社と契約」ならわかるけど、なぜ両方必要なのか?
- 東京でその契約方法の不動産会社に出会ったことがなかったが、宮崎や沖縄では一般的な契約方法とのこと
- 最近はその契約方法が増えているらしい
で、その疑問をさらに掘り下げたのが以下の記事。
どうやら「家賃を払わない輩」のせいでこの契約システムが増えはじめているみたいですが、それが連帯保証人と家賃保証会社のセットにつながるのは理解しづらいですよね。だったら家賃保証会社だけでもいいんじゃない?と、そう思うのが借主として自然な解釈だと思うんです。
実は、これは上記の記事でもコメントいただいたんですよ。
善良な入居者さんにとって、そんな悪質な輩の悪行の割を自分が食うのは納得いかないかもしれませんが、貸す側からすれば、そういうリスクを考えれば保証会社なしで貸すなんて怖くてできません。
ひとたび悪質入居者に当たれば、即、破滅につながりかねないほどの損失が待ってるんですから。
連帯保証人よりも保証会社です。
家主の代わりに借主が家賃保証会社にお金を払う「悪習」について
これはその通りだと思います。理解できます。僕も家賃保証会社との契約自体は全然問題ありません。
ただ、そこに「連帯保証人が必須」の条件が加わるのが気持ち悪いと言っているだけで。
「気持ち悪さ」の根源
ハッキリ言うとですね、この連帯保証人と家賃保証会社のセットには「良からぬ何か」を感じるわけですよ。
北海道の例の「消臭抗菌代」や「プロパンガスの料金」と同じニオイがするんです。
例えば、homesさんの以下の記事では借主を家賃保証会社と契約させることで不動産会社が謝礼金をもらっているケースがあると書かかれています。
親族などの連帯保証人を立てたのにもかかわらず、それとは別に家賃保証会社の利用を義務づけるケースも2010年頃から増えているようだ。その背景として、家賃保証会社から賃貸仲介会社へ一定の手数料やキックバック(謝礼)が支払われるケースの存在が挙げられている。賃貸借契約に伴い加入を求められる家財保険や住宅総合保険でも同様のキックバックがあったり、引越し会社からも賃貸仲介会社へ紹介料が支払われたりするが、本来の仲介手数料以外の副収入源として使われているのだろう。
また、家賃保証会社からすれば、立て替えた滞納家賃を回収できなかったときの穴埋めのため、「絶対に滞納しそうにない優良な借主」からも保証料を徴収したい側面がある。さらに、賃貸仲介会社の関連会社が保証業務をしていて、自動的にその保証会社を利用しなければならない場合もあるようだ。
本来の「連帯保証人の代わり」という位置づけから離れてしまっているケースもあるので、家賃保証会社を利用しなければならないのか、連帯保証人がいないときだけのものなのかなど、部屋を借りる契約をする前にしっかりと確認しておきたい。
家賃保証会社を利用するメリットは? その仕組みと現状の課題
実は、この「副収入」についてはとある不動産会社社長からも教えてもらいました。
※記事に張らないでくれと言われているので、気になる方は僕のTwitterを見るか、「家賃保証会社 副収入」で検索してみてください。
変な話、この構造で「理解」できるんですよ。セットになるってことはそういうことですよね、と。
それを「セットでも契約してくれるからセットにしてるだけ。需要と供給なだけ」と言うから違和感があるのであって。
もちろん、真っ当な理由でセットになっていることもあるでしょうし、そもそも「別に真っ当である必要なくない?嫌なら借りなきゃいいだけ」と言われればそれで終わりな話なんですが、「謝礼金欲しいから」といった理由でセットにするケースだけは増えないで欲しいと思っています。
暮らしやすい世の中であって欲しいだけ
このムーブメントに期待すること、そしてこのムーブメントの意義は「暮らしやすい世の中」になることですよね。
家賃を払わない悪質な借主がいて、意図的に搾取をする貸主がいて、それが変な形で対立した結果、今の「よくわからない暮らしにくい構造」になっているんでしょ?
そこはなんとか改善していきましょうよ。
いつ誰がどんな立場になるのかもわからないんですから、その時に暮らしやすい方が誰にとってもいいことではないでしょうか?
少なくとも僕はそう願っています。