「なんで相手が悪いのにこっちが出ていかなきゃいけないんだ!」
「あの住人は騒音で迷惑をかけているんだから退去させてくれ!」
「こっちが引っ越してもいいけど、せめて違約金はなしにしてくれ!」
アパートやマンションの騒音トラブルに悩まされると、こんなこと考えてしまいませんか?
そんな僕も騒音トラブルで引っ越すことになった1人。
我慢し続けた結果「鬱(うつ)」にもなったので、その気持ちは痛いほどわかります。
ただ、残念なことに、こういう事情で引っ越すことになっても、基本的には「自己都合での退去」。
- 騒音主に引っ越し費用を負担させる
- 騒音主に慰謝料を請求する
- 管理会社に違約金の特約をなしにしてもらう
など、過失があるであろう誰かに何かしらの費用を負担させるのは難しいんですよね。
裁判の費用だけかかって、もやもやしたまま終わり…というのがオチでしょう。
しかし!
だからと言って何もせずに終わるのはむしゃくしゃするので、知識を深めるためにも玉砕覚悟で弁護士さんに相談に行きました。
結論はやはり「無理」ということだったんですが、弁護士さんとのやりとりで理解を深めることができたので、騒音トラブルの裁判がなぜ厳しいのか、今回はその話をしたいと思います。
よっぽどの損害を受けないと裁判するメリットがない
騒音トラブルでの裁判について調べるとわかりますが、騒音トラブルで裁判を起こして勝訴したケースがいくつかあります。
そのどれもが相当な被害で、僕が被害にあった騒音トラブルが可愛く思えるレベルです。
ただ、このレベルの騒音トラブルの裁判で勝訴しても、20〜30万円の損害賠償命令。
- 弁護士費用
- かかった時間と手間
などを考えると、金銭的にも労力的にもまったく割に合いません。
これは何も騒音トラブルに限った話ではなく、裁判するメリットがないトラブルってけっこうあるんですよね。ここら辺は前職で嫌というほど経験しているのでよくわかります。
もちろん、それを踏まえた上で訴訟を起こす(起こさなければいけない)ことも往々にしてありますが、ほとんどの騒音トラブルがそこまでする必要がないものかと。
よっぽど高いマンションを購入したなら気持ちはわかりますけどね。。
鬱(うつ)になった原因が騒音なのか証明するのが難しい
訴訟を起こすとなると必要になるのが「証拠」です。
僕の場合、騒音が原因でメンタルがおかしくなったので、それを弁護士さんに話してみたんですが、実際に病院で鬱と診断されても証拠としては弱いらしいんですよね。
なぜなら、鬱になった直接的な原因が騒音によるものなのか証明できないから。
仕事が原因かもしれないし、夫婦仲の悪化が原因かもしれないし、鬱になる要因は色々あるので、「騒音によって鬱になった」と診断書に書いてもらわないといけないらしいんです。
この話を聞く前は病院に行くことも考えましたが、わざわざ環境が悪い場所で治療を受けながら頑張って生活するのもアホらしいなと思って病院に行くのをやめました。
騒音トラブルで引っ越したのか証明するのが難しい
先程の「証拠」に通じる話ですが、引っ越し費用を騒音主や管理会社に負担させるのもやはり難しいです。
なぜなら、騒音トラブルだけが引っ越しの理由だということを証明しなければいけないからです。
これは素人ながらけっこう厳しいと思いましたね。
弁護士さんも「こういった費用を請求したいなら、なるべく引っ越さない方がいい」と言ってました。
こういう話を聞いてもまだ裁判したいですか?
僕は「ここまでして今の物件で暮らす必要があるのか?」と改めて思いましたよ。
どうしても裁判したいなら
「損得なしでも、なんなら金銭的にマイナスでも、とにかく相手にギャフンと言わせたい!裁判したい!」
と思ったなら、まずは弁護士さんに相談してみてください。
直接どこかの弁護士事務所に連絡してもいいでしょうし、日本弁護士連合会で電話相談をしてもいいでしょう。
また、直接会って話をしたいなら法テラスを活用するのもおすすめです。僕は法テラスで相談してきました。
僕が相談した弁護士さんは「引っ越して正解ですよ。私でも引っ越してます」と言っていましたが、騒音トラブルの程度によっては「訴訟を起こしましょう!」となる可能性もあるので、どうしても納得できなければ一度弁護士さんに相談してみるのも良いかもしれませんね。